私は電気電子工学専攻を卒業後、三菱電機(株)に入社し、現在まで工作機械の頭脳である数値制御装置(CNC:以下CNC)のソフトウェアの開発業務に携わっています。工作機械とはデジタル機器から自動車や航空機などの部材、樹脂製品の金型などを高速かつ高い精度で安定的に加工するための機械で、私達の生活と企業の生産活動を支える重要なものです。工作機械は様々な加工を高速かつ高精度で実現しますが、工作機械の頭脳であるCNCは様々な機器と繋がり、多くの事柄を処理する必要があるため、大規模かつ複雑です。そのCNCのソフトウェアを決められた期間内に、十分な品質で開発するためには、「顧客の要求」と「現在のCNCの機能」を正確に理解し、設計することが重要だと感じています。そのために、私はCNCの設計にあたり、機能や設計内容の目的を明確化し、整理するようにしています。しかし、これは入社してから培われたものではなく、在学中の実験や研究において、問題が発生する度に、その問題の原因を調査・整理し、対策を検討、実施して行くといったサイクルが基礎となっていると思います。在学中は、現在の業務にも必要なデジタル工学や制御工学などの幅広い知識を身に付けるだけでなく、エンジニアとして重要な問題解決のためのサイクルを身につける事ができたと思います。
