今年の7月から（株）本田技術研究所のアメリカ法人Honda R&D Americas, Inc.に駐在となり、アメリカでクルマの動力系の開発に携わっています。クルマ開発では、単に性能向上を目指すのではなく、お客さんにとって何が魅力となるのか、何が高い価値を生むのかを考えることがとても重要です。アメリカでの生活を通してそれらのヒントを日々吸収しながら、それらを実現させるための技術開発に取り組んでいます。部品レベルで様々な要求性能やコスト、重量等をバランスさせ、状況によっては全く新しい技術の開発をスタートさせることもあり、これは開発の醍醐味だと思います。それらの仕事をすすめる上で、重要となるのが、「物理的、工学的 に現象を正しく捉え、論理的に考えていく力」です。
　在学中は、モータの研究室にて最先端モータの研究を行っていました。このモータの設計では、出力やトルクといった基本的な性能はもちろん、温度特性や体積効率等、様々な要求を整理して、最もニーズにあった製品にするプロセスを学びました。また、学会での発表経験を通して、エンジニアとしてのコミュニケーション能力も養うことが出来ました。これら学生時代の経験は、私のエンジニアとしての強力な推進力となっています。