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工学部 電気電子工学科

在学生・卒業生の声 受験生の贈るメッセージをご紹介します。

卒業生

白坂 行康 さん 1982年 大学院博士前期課程 電気工学専攻 修了 福島県立塙工業高等学校 出身 勤務先 株式会社日立製作所 電力システム社

次世代送配電網の要 変電機器の開発とその国際標準化活動 大学で学んだことが常に基本として役立っています

会社では、入社以来電力用変圧器の開発・設計に携わってきました。現在は、変電機器の技術全般を見る立場にあります。電力用変圧器は、発電された電気を効率良く、遠距離にかつ広範囲に送電および配電するために活用され、基本原理は100年以上変わっていませんが、インフラとしての電気の重要性は、その需要の世界的な増大に従って益々高まっており、変圧器の高電圧・大容量化、そして信頼性の向上と経済性の追求など技術的課題は今も尽きることはありません。
また、設計・開発部門にいますが、業務には机上の仕事以外に顧客への対応も含まれており、受注へ向けたプレゼン、仕様の打合わせと詳細確認、そして問合わせなどアフターサービスにも応えます。国内各電力会社はもちろん、海外の電力会社へも訪問、打合せに対応してきました。特に海外では、北米や中近東地域の電力会社を担当することが多く、電力の運用方法、生活環境、更には宗教に影響された考え方とその背景の違いなど、技術的には一見無関係に思えるようなことへも配慮が必要で、相手の考え方を理解することに努めたうえで交渉することを心掛けています。
一方、社外の業務に関しては、学会活動や国際標準化活動に広く携わっています。電気学会には大学在学時代から加入していましたが、約20年前からは規格(標準化)関連の国内外の委員会で活動するようになり、特にこの10年間は国際標準化に関するIEC(国際電気標準会議)やCIGRE(国際大電力システム会議)の活動に深く係わっています。「規格」と言うと既に決まっているもの、誰かが決めたものと思っている方も多いかもしれませんが、国際商取引は国際標準に則った製品で行うとの国際協定も有り、「国際標準を取ったものが市場を制する」とも言われるため、日本主導の国際標準を作るため、関係する国際委員会や作業会などに参加し、国際議長や委員長なども務めています。
卒業して30年が過ぎますが、以上のすべての活動では、大学で学んだこと、研究室で指導頂いたことが常に基本として役立っています。