電気電子工学科OBの、市川知幸さん (平成4年度卒業、平成6年度修士課程修了、 現 小糸製作所勤務)が、 「水銀フリーディスチャージヘッドランプの開発」の業績により、 文部科学大臣表彰(科学技術賞 開発部門)を受賞しました。
水銀フリーディスチャージヘッドランプの点灯制御開発を担当されました。 自動車用ディスチャージヘッドランプは、明るさや寿命、消費電力の面で、従来のハロゲンランプよりも性能が高く、新車搭載率は年々増加してきましたが、その発光部(バルブ)には環境負荷物質である水銀が含まれていたため、水銀を使わないランプの開発が求められていました。 そこで小糸製作所は、環境対応への取り組みの一環として、世界に先駆けて水銀フリーディスチャージヘッドランプの開発を行いました。 バルブには水銀代替物質を封入しましたが、これに伴う電気特性の変化や発光速度を補うために、定常電流や点灯初期の投入電力が増加しました。 そこで点灯制御回路は、水銀フリーに対応した制御方法を確立すると共に、回路動作の高周波化によって、効率アップと内部部品の小型化を実現し、体積を従来の半分に低減しました。 本開発の成功は、ディスチャージヘッドランプの普及による自動車の夜間安全走行と、環境負荷物質削減の両面に寄与しています。